神様のボート

冷静と情熱のあいだ

ホリーガーデン

江國香織の言葉

ホリー・ガーデン

ホリー・ガーデン

出版社:新潮文庫
単行本発売日:1998/02
文庫:327ページ

P.43 果歩
「私はダイエットなんてするくらいなら、小錦みたいに太ってる方がずっとましだと思ってるのよ」

P.59 静江
「規則正しすぎて時々変になるのよ」

P.59 静江
「つまづく石でもあれば私はそこでころびたい」

P.76 果歩
お客はどうでもいい人たちだから、お客にならうんとやさしくできるのだ。大事なのは何も考えないこと、それだけだった。

P.96
つい十五秒ほど前、水着着てるんだ、と芹沢は言った。それだけのことなのに、静江には芹沢が今夜泊まっていけるのだとわかった。理由は上手く説明できないが、たしかにちゃんとわかったのだった。わかったことが嬉しかった。

P.111 果歩
「私が何のためにいつもきれいにマニキュアをしているかわかる?」
「そうしないと、自分が大人だっていうことを忘れちゃうからよ」

P.129 芹沢
「あらゆる仕事がアートだし、それが日常に近ければ近いほど、祝福されたアートだろう」

P.147 中野
今夜急に遊びにいこうかな

P.170 芹沢
「静江はやさしいよ」
「そういうやさしさは、いつか身をほろぼすぞ」
「ただ、古今東西を問わず、やさしい女はおうおうにして不幸になるからね。あんまりやさしいのも考えものだって、忠告したんだ、友達として」

P. 194
静江は、気持ちのいちばん奥、自分でも触ることのできないやわらかい場所に、ごく微小な、ほとんど粉のような棘が無数にふりかかるのを感じた。細心の注意を払って自己防衛していても、芹沢の言葉は粒子になってふってくる。

P. 243 静江
「ホープレスにあの人が好きなのよ。私の知らない土地に生まれて、私の知らない人たちと生きて、私の知らない人たちを愛している芹沢さんが好きなの。いまのあの人じゃないあの人なんて想像できないし、いまの私たちじゃない私たちなんて考えられない。恋愛っていうのは、なんていうか唯一無二の、天文学的偶然によってできているものだと思うのね。だから、何か一つずれてしまったら ―― もっと早く出会うとか、芹沢さんが独身だとか ―― 、すべてがちがっちゃうはずでしょう?」

P. 307 果歩
「きょうはかえらないで、泊まっていって」

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